病院・クリニック・福祉施設での事業ごみの捨て方

病院・クリニック・福祉施設では、医療行為や介護活動を通じて様々な種類の廃棄物が発生します。
これらを適切に分別し、正しく処理することは、院内感染の防止や環境保護のために極めて重要です。
特に、感染性廃棄物(特別管理産業廃棄物)を含む医療廃棄物の処理には、法律に従った適切な取り扱いが求められます。
ごみの分別ルールを確認する
病院・クリニック・福祉施設では、以下のようなごみが発生し、それぞれ適切な分別と処理が必要です。
燃えるごみ(可燃ごみ)
- 一般ごみ(事務室から出る紙くず、ティッシュペーパーなど)
- 食品残渣(病院食・介護施設の食事残り)
- 使い捨てペーパータオル、紙おむつ(非感染性)
燃えないごみ(不燃ごみ)
- ガラス製品(薬瓶、割れたコップなど)
- 金属類(医療器具の破損部品)
- プラスチック製品(梱包材、保護フィルム)
資源ごみ
- 古紙(事務書類、パンフレット)
- ペットボトル・缶・瓶(職員休憩室や食堂で発生)
- 段ボール(医療用品の包装材)
感染性廃棄物(特別管理産業廃棄物)
- 血液や体液が付着したガーゼ・包帯・手袋
- 使用済み注射針・メス(シャープス)
- 培養器具・実験試料などの病原体を含むもの
- 患者が使用したチューブ、カテーテルなど
産業廃棄物
- 使用済みの医療機器(電極、センサー類)
- 廃薬品、廃消毒液
- X線フィルム、現像液
粗大ごみ
- 壊れたベッド・車いす・ストレッチャー
- 使用済みの医療機器や事務用備品
- 大型の医療機材(リース契約の機器は返却を確認)
ごみの適切な処理方法
燃えるごみ(可燃ごみ)
1. 一般廃棄物収集運搬業者に回収委託
医療廃棄物でない一般ごみは、自治体の許可を受けた収集業者に依頼できます。
2. 自ら処理施設へ持ち込む
一部の自治体では、事業者向けの処理施設を設置しており、自己搬入が可能な場合があります。
感染性廃棄物の処理(特別管理産業廃棄物)
- 専用の黄色または赤色の容器・袋に密閉し、漏洩防止措置を徹底。
- 許可を受けた医療廃棄物処理業者に委託し、適切に処理。
- 感染性の注射針やメスは専用の「シャープスコンテナ」に収納。
- 排出・処理の履歴を記録し、マニフェスト管理を厳格に実施。
産業廃棄物の処理
- 廃薬品や化学薬品は産業廃棄物処理業者に依頼。
- X線フィルムや現像液は、専門の回収業者にリサイクル依頼。
粗大ごみの処理
- 医療機器のリース契約がある場合、メーカーやリース会社と返却方法を確認。
- 施設の運営管理者と相談し、適切な回収業者を手配。
- 使用済みのベッドや車いすは、寄付やリサイクルの検討も可能。
法令遵守と適切な処理の重要性
病院・クリニック・福祉施設では、感染リスクを最小限に抑えるため、廃棄物処理法や感染症対策のガイドラインを厳格に守る必要があります。
- 感染性廃棄物は、適切な容器を使用し、厳密な管理下で処分。
- 産業廃棄物は、法令に従い適切な業者へ処理を委託。
- 一般ごみや資源ごみは、分別を徹底し、リサイクルを推進。
医療や介護の現場では、安全で衛生的な環境を維持することが最優先です。施設の運営方針に沿った適切な廃棄物処理を実施し、持続可能な医療・福祉サービスの提供を目指しましょう。