1. 事業ごみとは?
事業ごみとは、企業や商店、工場、オフィス、飲食店などの事業活動によって発生する廃棄物のことを指します。
家庭ごみとは異なり、事業者自身が適切に処理する責任を負っています。
2. 排出事業者の責任
事業ごみの処理において、最も重要なのは「排出事業者責任」です。これは、事業ごみを排出する事業者が、法律に則った適切な処理を行う義務を負うというものです。具体的な責任には以下のようなものがあります。
- 適正処理の責任
廃棄物処理法に基づき、適正に処理する必要があります。 - 委託契約の締結
産業廃棄物を処理する際には、許可を持つ業者と契約を結ぶ必要があります。 - マニフェストの管理
産業廃棄物を委託処理する場合、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を用いて適正処理の確認を行います。
- 分別の徹底
適切な分別を行い、リサイクル可能なものと廃棄物を区別することが求められます。
3. 事業ごみの種類
事業ごみは、大きく「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分けられます。
- 産業廃棄物
建設現場の廃材、製造業の廃油、化学工場の廃薬品などが含まれます。
- 一般廃棄物
オフィスや飲食店から出る紙くず、生ごみなどが該当。
4. 廃棄物発生から処理依頼までの流れ
事業ごみの適正処理のためには、以下の流れを把握しておくことが重要です。
① 分別・保管
事業所内でごみの種類ごとに分別し、一時的に保管します。不適切な保管は違法となる場合があります。
② 適切な処理方法の選定
自治体のルールに従い、処理方法を検討します。
一般廃棄物は自治体または許可業者に、産業廃棄物は専門業者に依頼する必要があります。
③ 処理業者の選定・契約
処理を依頼する業者を選び、契約を結びます。
産業廃棄物の場合は、マニフェストの取り扱いを確認しながら進めます。
④ 収集・運搬
契約した業者が、廃棄物を収集し、適切な処理場へ運びます。
⑤ 処理完了・マニフェスト管理(産業廃棄物)
産業廃棄物の場合、処理が完了したことをマニフェストで確認し、適切に管理します。
5. 適正処理のためのポイント
- 無許可業者への委託は違法
無許可業者に依頼すると、排出事業者も罰則の対象となる可能性があります。 - 契約内容を確認
処理委託契約は、処理方法や料金などを明確に記載したものにしましょう。 - リサイクルの推進
可能な限りリサイクルを進め、環境負荷を減らす努力も重要です。
6. まとめ
事業ごみの適正処理は、事業者の重要な責務です。
適切な処理方法を理解し、信頼できる業者に依頼することで、法令遵守と環境保全の両立を図りましょう。